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3.8メートル光学赤外線望遠鏡

世界初の超高精度高速研削技術による日本初の分割鏡方式望遠鏡製作

[京都大学、名古屋大学、国立天文台との共同プロジェクト]

business_telescope1.pngナガセインテグレックス社提供ナノオプトニクス・エナジーでは、岡山の国立天文台に設置する口径3.8㍍の天体望遠鏡をつくる技術全般をサポートしています。とくに望遠鏡の最も重要な部分である鏡は、当研究所所有の超高精度高速研削盤でなければ製作することができません。
望遠鏡は岡山県南西部の浅口市鴨方町の竹林寺山(標高372m )に設置します。

■望遠鏡仕様
 口 径:3.8m(18枚合成鏡)
 タイプ:リッチークレチアン式
 焦 点:ナスミス焦点×2
 視 野:1゜Φ(可視)
 像 質:直径0.5秒角以内に80%


日本初の分割鏡方式望遠鏡

分割鏡方式は、次世代超大型望遠鏡の基本技術として、今後、世界の主流となる方式です。
すばる望遠鏡(口径8.2㍍)など従来の望遠鏡で使われていたのは1枚の鏡でした。これに対し、本望遠鏡は分割された鏡をナノレベルの精度で合わせ、1枚の鏡として機能させたものを使います。

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18枚の分割鏡を組み合わせた主鏡のイメージ図
(隙間は誇張してあります)

世界初の研削による分割鏡製作

ナノオプトニクス・エナジーが、ナノオプトニクス研究所(岐阜県関市)に所有するナガセインテグレックス社製の超精密大型研削盤N2C-1300Dを使い、18枚の分割鏡を形状精度0.2μm、表面粗さ10nm以下の加工精度で製作します。このN2C-1300Dは、形状を保存する自動研磨の機能も併せ持っています。

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超高精度を誇る大型研削盤N2C-1300D
従来の研磨方式と異なり、大量の鏡を短時間で製作することができる研削方式(精密に位置制御したやすりで削り取る方法)を採用しています。

世界初のトラス構造駆動システム

望遠鏡の裏面に三角形を張り巡らせたトラス構造のおかげで、軽くて頑丈な望遠鏡の製作が可能になりました。精密アクチュエータで鏡の位置を制御します。

この技術は口径30㍍級大型望遠鏡に応用することも可能です。カリフォルニア工科大学が計画している大集光力・高解像力(すばると比較して、光量は13倍、解像度は3.6倍)の大型望遠鏡は、この3.8㍍望遠鏡の研削方式・分割鏡方式を応用して製作する予定です。



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30m級望遠鏡が完成すれば、様々な観測・調査が可能に

  • 生まれたてのブラックホールの探求
  • 宇宙最初の星形成の観測
  • 太陽系外惑星の姿の観測
  • 星における生命痕跡の探査

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