NANO | EV開発 | e-Mobility
クルマにはないソフトウエアが必要不可欠
機能については、これまでのクルマにはない動きやスピードの考え方を取り入れたいと考えています。これまでのクルマの考え方は、スピードを主体としたものであって決して人の動きや暮らしのスピードに即したものではありませんでした。もちろんさまざまな移動具がその役割分担を果たしてきた訳ですが街の中はそんな移動具が勝手に動き回っています。その中でも最も力を持つものがクルマです。これだけ都市の状況が複雑になり変化してきますと本来のクルマの役割も変わってこなければいけません。それはその動きやスピードの価値の創造です。
もちろん都市と都市を結ぶ動線にいたってはスピードを要求されるでしょうが、そんな都市交通と暮らしのバランスにおけるモビリティがより必要になってくると考えます。その役割を担えるのがEVです。EVは本来とてもシンプルであるとともに環境に応じた解答の出せるフレキシブルな乗り物です。もちろん街の騒音やCO2の課題に対して大きな需要があります。それだけにクルマと同じ発想でEVをつくっても結局暮らしは変えることができないと考えています。
EVはハードそのものですが、クルマにはないソフトウエアが必要不可欠です。それはエネルギー、すなわち電気のコントロールと暮らしを結びつけるグランドデザイン(暮らしの基盤)としてのOSです。このハードとソフトを融合させ、e-Mobility(NANO開発のEVプロジェクト)がどのようなものであるか研究しデザインを心がけたいと考えています。
このEVモビリティとしてのOSの考え方はとても重要な部分で、例えばスマートグリッドなどエネルギー制御をシステム化し都市や日常の暮らしの中で可能な限り効率的に無駄なくコントロールできるかはEV運用上の基盤をなす大きな課題です。